公認会計士を社会人から目指すのって無理?データから読み解くその真実!

公認会計士

公認会計士試験を受験したいけど、社会に出てからだと遅いかな?

働きながら公認会計士を目指したいけど、やっぱり難しいのかな?

会社辞めるのはちょっとな…

試験を受けるにあたり、上記のようなお悩みをお持ちの方も多いでしょう。

確かに、せっかく受験を志しても、途中で断念することになったら嫌だな。

実際のところ、公認会計士試験は何歳からでも目指すことができ、社会に出てからだと遅いということは全くありません。

では具体的に、働きながら公認会計士試験を目指すことはできるのか、社会に出てからでも合格することは可能なのか等、今回は合格後の職場の実態も踏まえ、公認会計士と社会人受験者の関係を、あらゆる角度から深掘りして解説していこうと思います!

この記事を読めば社会に出てから公認会計士を目指す方の不安や疑問はスッキリ解決しますよ(*^^*)

現役会計士の私が丁寧にお伝えするので、ぜひ最後までお付き合いください!!

公認会計士を社会人から目指すのは無理?

おそらく、皆さんが一番気になるのはこの問いではないでしょうか。

この問いにまず答えます!

不可能ではないが、かなり厳しい戦いになる

皆さんの期待されていた答えではないかもしれませんね。ごめんなさい(_ _;)

ただ、この答えがこの問いに対する一番正確な回答かと思います。

データを使用して確認してみましょう。

データで確認する合格割合

働きながら受験した場合

以下の表は公認会計士・監査審査会が開示している「令和2年 公認会計士試験 合格者調」から抜粋したものです。

職業別の合格率が以下の通り開示されています。

ここで注目していただきたいのが黄色でハイライトしている会社員の合格率です。

「3.8%」と全体平均の「10.1%」を下回る結果となっております。

もちろん、願書提出者の中には試験当日、急な仕事で欠席せざるを得ないなど、他の職業よりも欠席率が高いことも合格率低迷の要因であることが予想されます。

しかしながら、勉強時間・勉強量の多さが合否に大きく関わる公認会計士試験では働きながら合格を目指すことは茨の道であり、合格にたどり着けるのが一握りの人間であることも事実なのです。

そのため、公認会計士を本気で目指す多くの社会人受験者は

・公認会計士試験を目指すことを決めた時点で仕事を辞め、予備校に入る。
・最初は仕事と勉強を両立し、試験が近づいたところで仕事量を減らす又は仕事を辞める。

といった選択をしています。

社会に出てからだと収入的に厳しいため、『2年間だけ』などと期間を決めて、試験に臨む受験者も少なくありません。

ただし、ここで勘違いしないでいただきたいのは、社会人受験者の合格率が低いのは十分な勉強時間を確保できていないからであり、年齢的に厳しいということでは一切ありません!

そこで、次節では会社員が公認会計士試験に専念した場合(=会社を辞めて試験に専念する場合)の合格割合をみていきます。

なお、公認会計士の受験に年齢制限がないことは、以下リンク先の第1章で解説しているので宜しければ、併せて読んでみてください↓

公認会計士に学歴関係ないって本当?受験資格から職場の実態までお話しちゃうよ!
公認会計士といえば、日本の三大国家資格の1つとして、取得難易度の高い資格と位置付けられています。難関の資格ともなると、 公認会計士試験を受験したいけど学歴は関係あるのかな? 難関大学の学生じゃないけど合格できるかしら? 試験を受けるにあたり...

退職して試験勉強に専念した場合

以下は前章と同様「令和2年 公認会計士試験 合格者調」から抜粋したものになります。

今回、注目していただきたいのは黄色でハイライトした無職の方の合格率です。

「10.5%」と全体平均の「10.1%」とほぼ同等であり、会社員の合格率「3.8%」をはるかに上回っています。

つまり、ここから分かることは

公認会計士試験の合格に必要なことは、「勉強時間・勉強量を十分に確保し、試験に臨むことであり、会社員の合格率が低いのは、勉強を始めるのが遅いわけではなく、勉強時間・勉強量が大幅に足りていないから」ということになります。

つまり言い換えれば、社会に出てからでも一定以上の勉強時間・勉強量をこなすことができれば、合格することは可能ということになります。

でも、もしこんなに頑張って合格を勝ち取ったのに、就職してから年齢的に不利になるなんてことがあったら、嫌ですよね。

そこで、合格者の大多数の就職先となる監査法人における社会人合格者の実態についてもみてみましょう。

監査法人における社会人合格者

ここでは新卒以外の方は全て社会人合格者として扱います。

昇進

社会人合格者だからといって年齢が昇進や評価に影響を与えることは一切ありません。

なぜなら、公認会計士試験は取得するのが難関な資格であり、社会に出てから合格する人が大多数いるからです。

職場の様子

監査法人では先輩と後輩の年齢が逆転していることがざらにあります。

そのため、プライドが高い方は1つ肝に銘じておいてください!

いくら社会人経験が長かったとしても入社当初は監査法人に入った年度で先輩、後輩の関係が決まります。

そのため、40歳で監査法人に入社した男性が、20代前半の小生意気な娘の後輩になったりすることもあるのです。(年下の先輩から普通にタメ口で話されることもありますからね(;^ω^)笑)

これさえ我慢できれば、年齢的に監査法人で問題となることは何もないかと思います。

たまにいるすごい人

民間企業で働きながら、公認会計士試験を受験・合格し、監査法人にやって来る方がたまにおります。
やはりそういう方は仕事の効率も良く、社会人経験も豊富なため、飛び級で昇格したりすることもがあります。

働きながら合格するためのシミュレーション

ここで、公認会計士試験の第一関門である短答式試験に働きながら合格するためのシミュレーションをしてみましょう。

①まず、短答式試験合格に必要な総勉強時間はコメ子の実績から2000時間とします。
詳細は以下の記事を見てね↓♡

公認会計士 短答式試験までの勉強時間!合格者が実績と合格の秘訣を大公開!!
公認会計士試験の第一関門である短答式試験!短答式試験に一発で合格した現役の公認会計士が合格までにかかる勉強時間や合格のための秘訣を大公開しています!!

②次に1週間で確保できる総勉強時間を把握します。

  • 平日→2時間は確保したいです!
  • 休日→8時間は確保したいです!

1週間当たりの勉強時間=平日2時間×5日+休日8時間×2日=26 時間≒
25時間とします。

③1ヶ月あたりの総勉強時間を算定します。

1ヶ月あたりの総勉強時間=25時間×4週間=100時間ですね。

④短答式試験合格までに必要な期間を算定します。

短答式試験合格までに必要な期間=短答式試験合格までの総勉強時間2000時間÷1ヶ月あたりの総勉強時間100時間=
20ヶ月

つまり、短答式の合格までに1年8ヶ月かかります。

いかがでしょうか。

繰り返しとなりますが、公認会計士試験は何よりもまず、勉強時間の確保が重要となります。

そのため、働きながら公認会計士を目指す方はまずは1週間にどれくらい勉強時間を確保できるかを確認してみてください!

長期戦にはなりますが、強い意志と勉強時間を確保できる環境が揃えば、働きながらでも合格は可能となりますので、諦めずに一度、自分の環境を見直してみてほしいと思います。

おわりに

社会に出てからですと、社会的責任やリスクが大きくなるため、今の会社を辞めてまで公認会計士を目指そうと決心することはなかなか難しいと思います。

(資格取得支援のある会社だと、とっても良いんですけどね(^^;))

しかし、公認会計士という資格に出会う時期が遅かった方も、公認会計士試験はある一定量の勉強をすれば、合格することが可能な資格です。

もし現在、会社員で公認会計士の受験を悩まれている方がいましたら、まずは働きながら、公認会計士という職業や試験範囲、勉強量などを調べてみてください。

そこで、公認会計士に魅力を感じ、試験勉強に挑む覚悟が出来たら、公認会計士の世界に足を踏み入れていただければと思います。

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