公認会計士に学歴関係ないって本当?受験資格から職場の実態までお話しちゃうよ!

公認会計士

 

公認会計士といえば、日本の三大国家資格の1つとして、取得難易度の高い資格と位置付けられています。難関の資格ともなると、

公認会計士試験を受験したいけど学歴は関係あるのかな?

難関大学の学生じゃないけど合格できるかしら?

試験を受けるにあたり、上記のような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「たしかにせっかく受験を志しても、学歴で引っかかるなんて嫌よね…」

実際のところ、試験は学歴関係なく誰でも受けられますし、仕事をする上でも学歴は一切関係ありません!

では、どのような学歴の人が合格しているのか、就活や昇進に学歴は影響するのか、今回は公認会計士と学歴の関係を、あらゆる角度から深掘りして解説していこうと思います。

この記事を読めば学歴に関する不安や疑問はスッキリ解決しますよ(*^^*)

現役会計士の私が丁寧にお伝えするので、ぜひ最後までお付き合いください!!

公認会計士試験の受験にあたり学歴は必要?

まず、この問いに答えましょう。

答えは”NO”です!

公認会計士試験の受験にあたり、学歴は一切関係しません。

これは公認会計士試験の運営を担う公認会計士・監査審査会のHP(公認会計士試験に関するQ&A)においても明確に記載がなされています。

Q.公認会計士試験に受験資格の制限はありますか?
A.受験資格の制限はありません。年齢、学歴、国籍等にかかわらず、どなたでも受験することができます。
出典:公認会計士・監査審査会HP

つまり、公認会計士という資格はどんな人でもゲットするチャンスがあるのです!

高校や大学の専攻、就職先に関わらず、いつでも誰でも目指そうと思えば目指すことができる、そんな資格だと思うと少し夢がありますよね。

このように公認会計士試験の受験にあたり、学歴は関係ないことが分かりました。

では、実際に公認会計士試験を受験・合格している人はどのような人なのでしょうか。

公認会計士試験合格者の実態

公認会計士試験の合格者を分析すると面白い実態が見えてきます。

大学・年度別の合格者数

過去5年間の公認会計士試験 大学・年度別の合格者数を並べると、以下の表の通り、慶應義塾大学、早稲田大学、中央大学、明治大学の4大学が例年、上位4位を独占していることが分かります。

(数値:慶応義塾大学 公認会計士三田会より) 

ー公認会計士試験 合格者数の多い大学ー
慶應義塾大学、早稲田大学、中央大学、明治大学

この4大学であれば、一定レベルの学歴があると一般的にみなされるかと思います。

このように公認会計士試験の受験に学歴は関係ないと言いながら、公認会計士の合格者は一定レベルの学歴を持つ人が占めているのです。

なぜ、このような事象が生じるのでしょうか。

~コメ子の私見~

公認会計士試験に学歴は不要ですが、試験合格には以下の2つが特に重要と考えられます。

この2つを併せ持った人が4大学には特に多く、公認会計士試験合格に繋がっているのだと思います。

 

①公認会計士の資格取得へと導く周囲の環境

(例:大学内に公認会計士のためのダブルスクールがある、公認会計士を目指す仲間が多い)

②忍耐力(継続力)

(例:大学受験で勉強への耐性が身についている人が多い)

では、この4大学の出身者以外は公認会計士試験に合格することは難しいのでしょうか。

合格者に占める他大学の割合

令和2年公認会計士試験 合格者調及び慶応義塾大学 公認会計士三田会の数値を用いて、前章で示した上位4大学とその他の大学の合格者数を示すと以下の通りです。

2020年合格者数合格割合
大学在学・大学卒業1107-
 (うち、上位4大学)40136%
 (うち、上位4大学以外)706
64%

上位4大学の合格者数は多いとはいえ、半数以上は他大学の出身者で占められているのです。
このように合格者の多い大学はあるものの、基本的に出身大学や学部等は関係なく、どの大学からでも合格することができるのが公認会計士試験なのです。

でも、この情報だけ見ると、

「結局、大学行ってないと合格できないんでしょ。高卒は合格できないよ。」

とやる気をなくされる方もいらっしゃると思います。

では、本当にそうなのか、次章でみていきましょう。

学歴別の合格率

以下は公認会計士・監査審査会が開示している「令和2年 公認会計士試験 合格者調」からの抜粋になります。

注目していただきたいのは黄色でハイライトしている「論文式受験者に対する合格者」の割合です。

ここで「願書提出者に対する合格者」の割合を使用しない理由は、願書提出者の中には当日、欠席する人や記念受験をする人が含まれてしまい、その割合により学歴別の合格率も大きくブレてしまうためです。一方、短答式試験を潜り抜けた論文式受験者は基本的に公認会計士試験合格に向け、一定の本気度で臨んでいると考えられるため、「論文式受験者に対する合格者」の割合を学歴別で分析することは、学歴が公認会計士試験合格にどのような影響をもたらすかを示してくれます。

合格率を見ると、まず目につくのが大学在学者の合格率ですね。

大学生は確保できる勉強時間が多いため、50%超と合格率が高いものとなるのは必然かと思います。

しかし、その他の数値はいかがでしょうか。

大学卒業:32.8%、大学院在学:34.3%、大学院修了:19.2%…と高校卒業:30.7%と最終学歴による合格率に大きな差は生じていません。

つまり、ここから分かることは、

公認会計士試験の合格の条件は学歴ではなく、“いかに勉強時間を確保し、真剣に取り組むことができたか”に尽きるということなのです。

いかがでしょうか。
ここまでで、公認会計士試験に学歴が関係ないことがお分かりいただけたでしょうか。

監査法人における学歴

せっかく公認会計士の資格を取ったのに、就職活動や就職先で学歴差別なんてあったら嫌ですよね。

そこで、公認会計士試験に合格した大多数の就職先となる監査法人における学歴の影響を見ていきます。

就職活動

監査法人は公認会計士の資格を取得しているという前提があるため、基本的に採用時に学歴だけで人を判断することはないと思います。実際、高卒の方なども大手監査法人には普通におります。

ただし、就職氷河期において採用数を極端に減らす場合、公認会計士の資格に加え、学歴も重視されることが予想されます。

これは監査法人だけに関わらず、全ての企業で言えることかと思いますが、採用数に対する倍率が高ければ高いほど、様々な要素が採用の判断基準に含まれることになります。

公認会計士の就職については以下の記事でも詳しく記載しておりますので、宜しければ読んでみて下さい!

公認会計士の資格を取っても就職できない!?嘘か本当か現役の私が解明します!

職場の様子

断言します!

コメ子は大手監査法人に就職しましたが、就職後に学歴による差別を受けたことは一切ありません!

もちろん、話の一環で「大学どこなんですか?」「大学一緒ですねー」と話をしたり、監査チームに東京大学の人がいるとその話題で盛り上がることはあります。

しかし、いわゆる「学歴カースト」や「大学による派閥」のようなものは一切存在しません。

(監査の現場では大学の話題よりも血液型の話題で盛り上がることの方が多かったです(^o^;)笑)

監査法人には高卒の方がいたり、コメ子より偏差値の高い大学の方が大勢おりましたが、出身を気にしたことは一度もありませんでした。

監査法人は同じ「公認会計士」という資格を目指し、取得した仲間の集まりだからこそ、相手には一定の敬意を表している人が多いと思います。

昇格

そもそも監査法人に大学による派閥のようなものが存在しないため、「同じ大学の出身だから昇格させよう」というような学歴による差別はありません。

上の望むパフォーマンスを発揮している人は、学歴関係なく昇格していきます。

最後に

公認会計士という資格は学歴関係なく、どんな人でもチャレンジすることが可能です。

膨大な勉強量と数年に及ぶ勉強を続けるための忍耐力は必要ですが、努力すれば誰でも取得可能な資格になります。

あまり日の目を浴びない資格ですが、三大国家資格の中では挑戦しやすい資格なのではないでしょうか。

 

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