公認会計士を目指そうと思ったけど、友達や親から「公認会計士って食えないらしいよ」って言われた。
公認会計士になっても就職できない人がいるって聞いたわ。
せっかく公認会計士を目指そうと思っても、周囲からネガティブな意見を言われると気持ちが揺らいでしまいますよね。
最初に結論をお伝えさせていただくと、公認会計士は食えない資格ではありません。
公認会計士が食えないという噂は、過去に起こったいくつかの出来事により、その印象が付いてしまっただけです。
今回は「公認会計士は食えない」と言われる理由及び真相を現役公認会計士のコメ子が徹底解説してみようと思います!
この記事を読めば、公認会計士が食えないと言われている理由や真実がよくみえてくると思いますよ^^
丁寧に分かりやすく解説いたしますので、是非最後までお付き合いいただけると嬉しいです!
公認会計士は食えないの?
噂やネットでのリサーチから、「公認会計士が食えない」と言われる理由には、大きく以下の3つがありました。
- 就職できない
- お給料が低い
- 将来AIに仕事を奪われる
では実際のところどうなのか、1つずつ掘り下げて解説していこうと思います。
就職できない
「公認会計士になっても就職できない」という噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
なぜこのような噂があるのかというと、実際、過去に公認会計士試験合格者の多くが就職できない時代があったためです。
背景:公認会計士業界では人材不足が予測されたため、2006年、2007年、2008年の3年間で年間約3000〜4000人の大量合格者を出す施策を決行しました。
年度 | 合格者数 |
---|---|
2006年 | 3,108人 |
2007年 | 4,041人 |
2008年 | 3,625人 |
2009年 | 2,229人 |
2010年 | 2,041人 |
※2006年はちょうど新試験制度に変更された年です。
しかし、皆さんもご存じの通り、2008年にアメリカのリーマンショックが起き、多くの企業が景気悪化・倒産することになります。(→つまり、監査法人のクライアントが減少したり、報酬が引き下げられることに繋がりますよね。)
その結果、監査法人等では公認会計士の採用枠を大幅に縮小させたり、大量リストラを行わざるを得なくなり、公認会計士は大勢いるにも関わらず就職先がない状況が生じたのです。
このことが大きな記憶と印象に残り、今でも「公認会計士は就職できない」と言われているのが実態です。
では、現在の就職状況はどうなのでしょうか。詳しくみてみましょう。
まず、過去3年間の公認会計士試験合格者数を確認すると、いずれも1,400人強で推移しています。
年度 | 合格者数 |
---|---|
令和3年 | 1,360人 |
令和4年 | 1,456人 |
令和5年 | 1,544人 |
次に、公認会計士試験合格者の主な就職先である4大監査法人の採用数を推定します。
有限責任監査法人トーマツの採用サイトの募集要項に、新卒の採用予定者数は300名程度と記載があるため、この情報をもとに採用数を推定すると、以下の通りとなります。
監査法人 | 採用数 | 備考 |
---|---|---|
新日本有限責任監査法人 | 300人 | トーマツと同様の採用数と想定 |
有限責任監査法人トーマツ | 300人 | トーマツと同様の採用数と想定 |
有限責任あずさ監査法人 | 300人 | トーマツと同様の採用数と想定 |
あらた有限責任監査法人 | 200人 | 規模を考慮し、200人と想定。 |
合計採用数 | 1,100人 |
いかがでしょうか。
1,400人強の合格者に対し、4大監査法人だけで1,000人以上の採用枠を設けています。
これだけ見ても、現在の監査法人への就職がそこまで厳しい状況ではないことが分かると思います。
さらに、1,400人の合格者の中には民間企業やコンサルティング会社を志望される方や大学在学中の方もいるかと思いますので、競争率はさらに低いものとなります。
そのため、現在は公認会計士試験に合格しても就職できないということはほぼないため、安心して下さいね^^
なお、公認会計士の就職については以下の記事で詳細に解説しておりますので、良ければ併せて読んでみてください。
公認会計士の資格を取っても就職できない!?嘘か本当か現役の私が解明します!
公認会計士が就職できないの真相が分かったのではないでしょうか。
では、次いってみましょー!
お給料が低い
結論から申し上げますと、公認会計士の年収は日本の平均年収より遥かに高いです。
具体的に公認会計士と日本の平均給与を比較してみましょう。
日本の平均年収
- 433万円(男性:532万円、女性:293万円)
公認会計士・税理士の平均年収
- 774万円※
※「きまって支給する現金給与51万円×12ヶ月分」と「年間賞与その他特別給与162万円」を足した数(企業規模計1,000人以上の場合)
引用:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
公認会計士の年収は日本の平均年収をはるかに上回り、お給料が低いとは言えませんよね。
また、職業別年収ランキングでも11位に入る等、経済的に安定している職業として世間からも認知されています↓^^
さらに、例えば監査法人のパートナー(監査法人の一番上の役職の総称)になると年収数千万円も狙えちゃいます!
そのため、公認会計士はお給料面からみても食えない資格になることはないです。
では、次いってみましょー!
将来AIに仕事を奪われる
現在、IT技術の発達により、様々な分野でAIが急速に普及していると思います。
公認会計士業界も例外ではなく、AIの導入が進んでおり、公認会計士の仕事がAIに奪われていき、将来、食えない資格になるのでは!?と、危惧する人も多いようです。
この点、コメ子は公認会計士の全ての仕事がAIに奪われることはないと思っています。
もちろん、基本的な単純作業や標準テンプレートの作成等にはAIが役立ち、現在でも普及が進んでいます。(むしろ、AIの普及でより深度ある監査ができるようになっている印象です。)
しかしながら、公認会計士の独占業務である監査にしても、他の業務にしても、公認会計士の資格を持って実施する業務には「判断」が必要になることが多いです。
ルーティンワークについては今後もIT化が進むと思いますが、この「判断」の部分についてはAIではまだまだ難しく、知識と経験を持った公認会計士が必要とされることでしょう。
そのため、AIの普及面からみても、公認会計士が食えない資格になることはないため、安心してくださいね。
公認会計士はまだまだ熱いぜ!
では最後に、公認会計士は「食えない資格」に反論して、良い面も少しご紹介しておきたいと思います。
公認会計士はこんなに素敵な資格!
コメ子が思う公認会計士の主な利点は以下の3つです。
- 自由度が高い
- 年収が高い
- 社会的信頼度が高い
それぞれ詳しく解説します。
自由度が高い
公認会計士の資格を持つと、将来取りうる選択肢が増え、自由度が高くなります。
特に職業選択の自由度は高く、監査法人でずっと働く人もいれば、経営コンサルタントになったり、大手企業の経理部に転職したり、自身で会計事務所を開設したり…と様々な選択肢を取ることができます。
そのため、色々なことをやってみたい!自由に働きたい!という人にはかなりおすすめの資格です。
年収が高い
年収の詳細は前述した通りですが、やはり経済面で公認会計士は余裕があると感じることが多いです。
コメ子も独身一人暮らしの時はお金を気にせずに好きなものを買えていました。笑
公認会計士は難しい資格なだけあって年収も高いため(その分残業が大変なこともありますが。)経済面から見てもかなり魅力的な資格かと思います。
ちなみに、一応公認会計士の残業状況も知っておいたほうが良いと思いますので、以下の記事も読んでみてくださいね^^
公認会計士の残業時間ってどれくらい?現役の私が徹底解説しちゃいます!!
社会的信頼度が高い
公認会計士はやはり、社会的信頼度が高いです。
公認会計士の資格を持っているだけで、周囲の人から「頭がいい」「努力家」と尊敬されちゃったりします。笑
よく不動産を借りる時や買う時に、公認会計士の信頼度の高さを感じると言っている同僚もいました。(公認会計士だと審査が通りやすいことがあります!)
公認会計士の資格を持つだけで社会的信頼度もアップすると思うと、なんだか得した気分ですよね。
ちなみに、こんな素敵な資格ですから、公認会計士はもちろんモテます!(男性に限りですが…笑)
その真相について解明した記事も掲載していますので、良ければ併せて読んでみてください↓
【結論】公認会計士になればモテる!年収や性格を深堀りしてみた。
まとめ
今回は「公認会計士は食えない資格?そんなことあるわけない!」のテーマでご紹介させていただきました。
解説した通り、公認会計士は食えない資格ではありませんので、目指している方は安心してくださいね。
現在は公認会計士試験に合格すれば、就職先にも困らないと思いますよ^^
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!