簿記3級は取っても意味ないの?いや、そんなことないでしょ!

簿記検定
簿記3級を受けようと思ったけど、ネットに「簿記3級なんて取っても意味がない」って書いてあったんだ。
簿記3級だと就職にも役立たないのかしら。

せっかく簿記の資格を取ろう!と思っても、ネガティブな意見を目の当たりにして、やる気をなくされた方もいるのではないでしょうか。

確かにネットを検索すると、簿記3級は入門レベルであり、取得しても意味がないと回答している人が一定数いますね。

そこで今回は簿記3級は取っても意味がないのかについて、現役公認会計士のコメ子が様々な観点から深掘りしてみたいと思います!

自身の見解も踏まえ、丁寧に解説しますので、是非最後までお付き合いいただけると嬉しいです^^

簿記3級は意味がないの理由

周囲の意見やネットでのリサーチから、「簿記3級は取っても意味がない」と言われる理由は、大きく以下の5つがありました。

  1. 就職・転職に役立たない
  2. 履歴書に書けない
  3. 誰でも合格できる
  4. 実生活に役立たない
  5. 会計ソフトの普及

では実際のところどうなのか、1つずつ掘り下げて解説してみたいと思います。

就職・転職に役立たない

コメ子の結論…
どんな業種・職種に進むかによります。

簿記3級は入門レベルとされており、実務に役立つのは簿記2級以上と一般的に言われています。

ここで、簿記3級と2級のレベルの違いをおさらいしてみましょう。

簿記3級のレベル

業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。

引用:商工会議所ホームページ

簿記2級のレベル

経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

引用:商工会議所ホームページ

このように、簿記3級は経営や経理、会計関連での就職を目指す方に取っては物足りないのが事実ですが(この方々は簿記2級まで目指しましょう)、ビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、他の業種や職種での就職を目指す方にとっては多くの企業から評価される資格となります。

履歴書に書けない

コメ子の結論…
え、書けないって誰が決めたの?
まあ、堂々と書きたいなら2級も取得しちゃいましょう。

簿記3級は入門レベルであり、英語検定3級や漢字検定3級のように履歴書に書くこと自体が恥ずかしいという噂が出回っているようです。

確かに、経理部長への転職や会計コンサルタントとしての就職を希望する人が履歴書に簿記3級だけを記載していたら「おいおい^_^;」ってなりますよね。

しかし、新卒で経理や会計と関係のない分野の就職をする人が簿記3級を履歴書に記載している場合、「へぇ〜、簿記の知識があるんだ!」と感心されることはあっても書いてマイナス評価になることはないと思います。

まあ、企業が評価をすると公言している資格が簿記2級以上なので、堂々と履歴書に記載したいのであれば、3級だけでなく2級まで取っちゃうのが手っ取り早い話ですかね^_^;

誰でも合格できる

コメ子の結論…
多くの人が合格している=意味がないは個人的には違うかと。

簿記3級の合格率をみてみましょう。

以下は日本商工会議所が開示している「3級受験者データ(統一試験)」からの抜粋になります。

合格率
161(2022.6.12)45.8%
160(2022.2.27)50.9%
159(2021.11.21)27.1%
158(2021.6.13)28.9%
157(2021.2.28)67.2%

回にもよりますが、多くの回で約50%ほどの合格率を示しており、確かに合格率は高いです。

また、商業高校では簿記の授業がカリキュラムに組まれており、多くの高校生が簿記3級や2級を取得していることから、高校生でも取れる資格として、誰でも取れる資格と認知されているようです。

ただ、コメ子は簿記3級であっても公認会計士等の難関資格であっても、勉強さえすれば誰でも合格できると思っています。

そのため、多くの人が持っているから意味がないとするのはちょっと違うかなと思いますが、一般的に「資格取得者の数が多い=資格の価値が下がる」という理論が成り立っているようですね。

実生活に役立たない

コメ子の結論…
うーん、実生活には役立てづらいかな?

簿記を学べば家計簿の記載の知識も増え、家計の管理も上手くなるのでは!?と思う方もいるかもしれませんが、簿記は企業のお金の流れを管理・記録するためのものであり、実生活の家計簿の記帳とは大きく異なります。

そのため、企業で簿記の知識を必要としない人にとっては確かに取得してもあまり意味がないかもしれません。

ただ、簿記を勉強すると、お金や経営に関する興味は湧くと思いますので、間接的には家計にも好影響をもたらすのではないでしょうか。

会計ソフトが普及している

コメ子の結論…
確かに、会計ソフトの普及で簿記の知識がなくても帳簿付けができるようになりました。

多くの企業では「弥生会計」や「勘定奉行」といった会計ソフトを導入しており、ほとんどの会計ソフトは、初心者でも簡単に帳簿がつけられるように、仕訳入力を補助する機能が備わっています。

さらに、取り込んだ取引データを自動的に仕訳する機能もついているため、簿記の知識がない人でも簡単に帳簿付けができるようになっています。

このように、簿記の知識がなくても会計ソフトを使用すれば、誰でも帳簿付けができるため、簿記の知識は不要と考える人が一定数います。

〜ここまでのまとめ〜

簿記3級は資格取得者が多く、就職等の履歴書上でもインパクトに欠け、実生活にも役立たない等の理由から、取得しても意味がないとされている。

しかし、簿記3級を意味ある資格にするもしないも最終的には自分自身です。

そこで、次は簿記3級が有する本当の意味や価値、メリットを皆さんと考えてみたいと思います。

簿記3級は意味ない資格じゃない!

コメ子は簿記3級の意味や価値は以下にあると考えています。

  1. 上位の級へのステップアップに繫がる
  2. 自身のスキルになる
  3. 職業選択の指針になる

上位の級へのステップアップに繫がる

簿記3級では簿記の基礎が学べるため、ここで学んだ内容は簿記2級や1級、さらには公認会計士を目指す際の重要な土台になります。

特に簿記2級まで取ると、会社の財務諸表や経営内容を把握できるようになり、就職でもかなり有利になると言われていますので、簿記3級だけで終わらせずに、簿記2級まで取って資格をさらに意味あるものとすることもオススメです!

ちなみに、簿記2級は独学で合格してる人もたくさんいますよ。

簿記2級や公認会計士については以下の記事でも解説していますので、目指したい方は参考にしてみて下さいね^^

【簿記検定2級の勉強時間】社会人が合格するためには〇〇時間必要!

公認会計士 短答式試験までの勉強時間!合格者が実績と合格の秘訣を大公開!!

質問 :何級まで取得すれば、就職や転職に有利ですか?

回答 :2級以上を取得すれば、履歴書へ記入することで就転職に有利に働くと言われています。 2級を取得すると、 株式会社の財務諸表が読めて、ビジネスで必要なコスト感覚がわかる人材として評価されます。 そのため、会計事務所、経理部門の他、営業職、小売り、販売職、商社、金融、コンサルティング業界等、様々な業界や職種への就職・転職に有利になります。 また、1級まで取得すると、大手企業や上場企業の会計に関する一連の会計知識が身に付きます。 経営企画部門での財務分析や、コスト管理業務等において有利になる他、それらを行う部門の責任者としての可能性も広がります。

引用:資格の学校 TAC よくある質問

自身のスキルになる

簿記3級を学ぶと会社のお金の流れや仕訳の基礎、財務諸表(決算書)を読むための基本が身に付きます。

まだ就職していない方は意外かもしれませんが、経理以外の総務や人事等の一般事務でも普通に仕訳を起票したり、現金を取り扱います。

そのため、どんな職業に就く場合でも簿記を学び、お金についての知識を増やしておくことは自分のスキルとなり、必ず仕事上で役に立ちます!

職業選択の指針になる

就職や転職を考える場合に、経理や経営関連の職に就きたいなと漠然と思っても、本当にその職が自分に合っているのかは分かりませんよね。

そんな時に簿記の入門である簿記3級を学んでみて「簿記って面白いな」と思えるかを職業選択の判断基準にしてみるのもおすすめの方法です。

もちろん、実務に就いてみないと分からない部分もありますが、簿記3級には実務で使える基礎がたくさん詰まっていますので、自分が経理業務に合っているかの適正判断の材料として利用できると思います。

まとめ

今回は「簿記3級は取っても意味がないのか」について、様々な観点から分析してみました。

コメ子は意味のない資格はなく、学んだ時間が無駄にはなることはないと思っています。

どんな資格であっても自身のスキルアップに繋がり、将来の選択肢を増やしてくれますので、皆さんも是非、色々な資格に挑戦してみてほしいと思います。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました!

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