公認会計士を働きながら目指すのは無理?データをもとに実態を徹底解説します!

公認会計士

公認会計士を働きながら目指すのは無理なのかな?

働きながら公認会計士を目指したい!という社会人の方も多いと思います。

結論から申し上げますと、全くの不可能ではありませんが、筆者としてはおすすめはしません。

今回は社会人が働きながら公認会計士を目指すことができるのかについて、実際のデータを元に解説してみたいと思います。

この記事を読み、働きながら公認会計士を目指す場合の実態を把握し、今後の勉強方針等を決めていただければ幸いです。

現役会計士の筆者が丁寧に解説しますので、是非最後までお付き合いください!

公認会計士を働きながら目指すのは無理?

結論から申し上げますと、全くの無理ではありません。

しかし!以下の理由から筆者はあまりおすすめしません。

【筆者がおすすめしない理由】

  • 合格率が下がる
  • 短期集中で合格を目指したほうが効率が良い

それぞれ詳しく解説します。

合格率が下がる

以下の表は公認会計士・監査審査会が開示している「令和5年 公認会計士試験 合格者調」から抜粋したものです。

職業別の合格率が以下の通り開示されています。

ここで注目していただきたいのが黄色でハイライトしている会社員の合格率で、対願書提出者の合格率「3.6%」、対論文式受験者の合格率「24.4%」となっており、全体平均の「7.6%」及び「36.8%」を大きく下回る結果となっています。

これは勉強時間・勉強量の多さが合否に大きく関わる公認会計士試験では働きながら合格を目指すことは茨の道であり、合格にたどり着けるのが一握りの人間であることを表します。

そっか…社会人が公認会計士試験に合格するなんて無理なんだ!

しかしながら、ここで勘違いしないでいただきたいのは、社会人受験者の合格率が低いのは十分な勉強時間を確保できていないからであり、年齢的に厳しいということではないということです。

そこで、次に会社員が公認会計士試験に専念した場合(=会社を辞めて試験に専念する場合)の合格率をみてみたいと思います。

今回、注目していただきたいのは黄色でハイライトした無職の方の合格率です。

対願書提出者「7.9%」と対論文式受験者「31.6%」は全体平均の「7.6%」及び「36.8%」とほぼ同等であり、前述した会社員の合格率をはるかに上回る結果となりました。

つまり、公認会計士試験は社会に出てからでも一定以上の勉強量をこなすことができれば、合格することが可能ということがお分かりいただけると思います。

このように、働きながらでも合格することは不可能ではないですが、合格率が大幅に下がる(=公認会計士試験の勉強に専念すれば合格可能性が大幅に上がる)ことから、合格するまでは働きながらではなく、公認会計士試験の勉強に専念することを筆者はおすすめしています。

短期集中で合格を目指したほうが効率が良い

実際に働きながら公認会計士を目指す場合、皆さんが1日に確保できる勉強時間はどれくらいでしょうか。

例えば、1日に2時間勉強できるとしましょう。

公認会計士試験合格までは最低3000時間以上の勉強が必要と言われているため、1日2時間だと合格までに4年超かかってしまいます。

このように、勉強が長期に渡る場合、モチベーションを維持するのが難しく、また仕事等のその他の事柄と並行して勉強しなければならないため、知識が記憶に定着しづらい可能性があります。

さらに仕事で疲れていると、集中力も低下するため、思っている以上に勉強が捗らないこともあるでしょう。

そのため、長期に渡って勉強するよりも仕事をセーブし、短期集中で合格を狙ったほうが結果的に効率が良い可能性が高いです。

ただ、簡単に仕事を休んだり辞めたりすることはできないと思いますので、自身(家族がいる人は全員)の”いま”と”将来”とよく向き合い、今後どうしていくかを決めてほしいと思います。

では次に、実際に働きながら公認会計士試験に合格する人がいるのかについて確認しておきましょう。

実際に働きながら公認会計士試験に合格する人はいるの?

筆者が監査法人時代、同僚に1人だけ働きながら公認会計士試験に合格した人がいました。

しかしながら、この1人以外、働きながら公認会計士に合格した強者を筆者は知りません。(この同僚は監査法人入社前に社会人経験があり、仕事のスピードも早いため、飛び級で出世していきました。)

そのため、多くの人は一度、会社を辞めたり、休職し、公認会計士試験一本に集中して、勉強を進めていることが多いようです。

働きながら公認会計士試験に合格できたらカッコいいけど、なかなか難しいのね。

では最後に公認会計士以外で働きながら目指せる筆者のおすすめの資格をご紹介しておきたいと思います。

働きながら目指せるおすすめの資格

筆者が考える、働きながら取得を目指せるおすすめの資格は「簿記2級」です。(もう取得済みの人はごめんなさい!)

筆者が働きながら取得したほうが良いと考える理由は以下の通りです。

  • 会計が好きかどうかの指針になる
  • 短期間で取得しやすい
  • 企業から評価されている

それぞれ詳しく解説します。

会計が好きかどうかの指針になる

いきなり公認会計士を目指すよりも、まずは財務会計や管理会計を自分が好きなのか、公認会計士が将来の職業として適しているのかを見極めるほうが良いと思います。

その点、簿記2級は財務会計及び管理会計を広く学ぶことができ、公認会計士を目指すかどうかの指針として最適です。

公認会計士になってから後悔したのでは、せっかくの苦労も水の泡になってしまうため、まずは公認会計士という職業が自分に合っているのかを働きながら簿記2級を取得することで確認してみましょう。

簿記2級を学習し、公認会計士が自分に合っていると感じたら、会社を辞めて試験勉強に専念するのも良いと思います。

ちなみに、公認会計士になってから筆者が後悔した事例についても以下の記事でご紹介していますので、良ければ読んでみてくださいね。

公認会計士になって後悔した瞬間5選【現役会計士が大暴露!】

短期間で取得しやすい

公認会計士は約3000時間以上、約3〜4年ほど勉強する人が多いですが、簿記2級は比較的短期間で取得しやすいです。

簿記3級の取得に必要な勉強時間は約100時間、簿記2級の取得に必要な勉強時間は約200〜250時間と言われていますので、約300〜350時間勉強すれば簿記2級を取得することができます。

そのため、働きながらでも勉強時間を確保することができ、取得も目指しやすいことでしょう。

なお、簿記3級及び2級の勉強時間については以下の記事で詳しく解説していますので、良ければ併せて読んでみてくださいね^^

【簿記検定3級の勉強時間】社会人が合格するには100時間!?効果的な勉強法と併せてご紹介

【簿記検定2級の勉強時間】社会人が合格するためには〇〇時間必要!

企業から評価されている

簿記2級は企業からも評価されています。

Q.合格すると就職に役立ちますか?

A.簿記を学習すると企業の財務諸表(決算書)を読むための基本が身に付きます。就職活動において、優良企業を見分けることや、企業研究・面接・エントリーシート作成など、多くの場面で生かすことできます。また、仕事で簿記を生かすためには、2級の知識を身に付けることを推奨しています。簿記2級は企業も高く評価している資格であり、大きな武器になるといえます。

引用:資格の大原 よくある質問

そのため、働きながら取得することで、会社内での評価もアップすることができます。

万一、簿記2級を学習してみて公認会計士が自分に合わないと思っても、会社から評価されれば取って損ということはありませんよね。

さらに言うと、簿記2級を学ぶと、物とお金の流れがよく分かるようになるため、会社員なら是非取っていただきたい資格です。

このように簿記2級には様々な利点がありますので、まずは働きながら取得を目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は「公認会計士を働きながら目指すのは無理?データをもとに実態を徹底解説します!」のテーマでご紹介させていただきました。

公認会計士を働きながら目指すことも不可能ではないですが、かなり厳しい戦いになりますので、筆者としては仕事はいったん抑え、勉強に集中することをおすすめしています。

皆さんも現在の環境や将来どうなりたいかをよく考え、今後の方向性を決めてみてください。

最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!

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